本読書会について
こんにちは、運営のHです。
本読書会も次回で19回目を迎えます(2019年2月現在)。これもひとえに、参加くださっている参加者のみなさまのおかげです。いつもありがとうございます。
kantodokusyokai.hatenablog.com(カント哲学の大まかな枠組みに関しては上のエントリーを参考にしてください)
本読書会では、同学の学生はもちろんのこと、社会人の方も参加されており、比較的開かれた雰囲気で議論することができているように思います。
この記事では、カント『プロレゴメナ』読書会がどのような読書会であるのかについて、あらためて説明したいと思います。参加を検討される際の参考にしてください。
いま読んでいる本と参考図書について
現在読んでいるのはカントの『プロレゴメナ』ですが、岩波文庫のものを読んでいます。ときどき参加者の方が英訳を参照されることもありますが、基本的に邦訳を中心として読み進めており、したがってドイツ語ができる必要はありません。もし参加される場合は、この岩波文庫の『プロレゴメナ』を購入してもらう必要があります。また、参考図書として、本読書会では、『カント事典』(弘文堂)を多用しています。本読書会に参加するにあたって必ず購入しておかなければならないというわけではありませんが、入手していたほうが議論の内容を把握しやすいかもしれません。
一回の読書会で進む速度と進行形式
一回の読書会で進む速度としては、だいたい一回の読書会につき、数ページほど読み進めていきます。また進行形式としては、まず前回の議論の内容について主催者が軽く触れたあと、一段落分を主催者が朗読します。朗読したのち、朗読された箇所について参加者同士で議論を深めていきます。そしてその段落についての議論があらかた終わったら、次の段落をまた別の人が朗読し、同じように議論を深めていきます。だいたい以下のような感じです。
議論の導入
⇩
一段落を朗読
⇩
その段落について議論する
⇩
もう一段落を朗読
⇩
その段落について議論する
このとき、議論は、構文把握と内容の理解という二つの観点から構成されます。構文把握に関していうと、たとえば「この指示語は何を指しているのか」「この逆接の接続詞はどこまでの内容にかかっているのか」などが議論されます。内容の理解に関していうと、たとえば「「もし時空が観念であるならば、そのような時空を前提とした感性的表象は仮象に他ならない」とはどういう意味か」「ここで用いられている「直観」とは何のことか」など、議論の意味内容に踏み込んで議論がなされます。
本読書会では、この二つの観点から議論を行い、『プロレゴメナ』の内容をより立体的に理解し、ひいてはカントの哲学の全体、あるいはカントを通して西洋哲学史の流れについての理解を深めていき、あるいは哲学という学問において議論するとはどういうことなのかについて、実際に議論することを通して学んでいきます。
平均的な参加者の人数と参加の流れ
いま現在の参加者の数は平均して3〜5人ほどです。また、実際の参加に至る流れは以下のようなものです。
①参加者希望者が当アカウント(@w97SaO1eIQp2G56)にDMを送る
⇩
②当アカウント(@w97SaO1eIQp2G56)から参加希望者にカント『プロレゴメナ』読書会のグループラインの招待
が送られるので、それに参加する
⇩
③グループLINEの内部で行なっている日程調整に記入してもらう
⇩
④日程当日に読書会が開催される
日程間隔
日程間隔としては、だいたい10日に一度ほどの頻度を予定しています。ときに主催者の都合で数週間ほど日程が空いてしまうときもありますが、もしそのあいだ代わりに会を開催したいという方がいらっしゃれば、開催していただいても構いませんし、むしろそちらの方が主催者としては嬉しいです(ごく個人的には、主催者の予定・都合とは関係なく10日に一度の頻度でコンスタントに会が開催されるのが理想です)。
時間帯とオンオフ兼用
時間帯は、平日と日曜はだいたい18時から20〜21時まで、土曜は朝の10時から昼の12時半ぐらいを目安にしています。が、もし時間帯の変更を希望な方は仰ってくれれば対応できるので、気軽に申し付けてください。
また、本読書会では、オンラインとオフライン兼用で会を開催しています。オフラインでは中央大学に集まりますが、LINEを介してオンライン参加も可能です。
哲学の知識は必要か
哲学の知識が一定程度あったほうがいいとは思いますが、『哲学用語図鑑』(プレジデント社)を通読したことがあるといった程度の知識さえあれば大丈夫だと思います。すくなくとも、ハードコアなカントの専門家でなければ議論についていけないということはないと思います。現に主催者はカントを専門的に研究している院生などではなく、単なる哲学専攻の学部生です(次年度でB2になります)。人文科学関係の本をある程度読みこなせるだけの教養・知性・論理的思考能力さえあれば大丈夫だと思います。
ハードルが高いのですが…
なぜこういう書いているかというと、「ハードルが高いんだけど…」と周囲から言われることが割とあるからです。おそらく、ブログに記載しているレポートのせいでそう思われるのでしょう…。
あくまで主催者個人の感覚としては、人数としてもちょうどよく、誰か一人が場を占有することもなく、また目の前にテクストを精緻に読解することが優先されるという点で、比較的参加しやすい読書会だと思っています。
ひとまず基本的な情報としては上述のようなものになると思います。何か分からない点がありましたら、個別に当アカウント(@w97SaO1eIQp2G56)に尋ねてもらえればと思います。

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